転職を考えるとき、誰しもが登録する転職情報サイトや転職エージェント、スカウト型サイト、どのツールを見ても求人が出ているモノがあると思います。
↓例えばこんな感じです…。
一見、素晴らしい内容で、「こんな条件の良い企業マジであるん?」っていうくらいスキのない内容で思わず応募したくなるような内容です。
この求人、実は地雷であることが非常に多いです。
「都合の良い文言ばかりの求人内容」
特に前職で「営業ノルマがきつかった~」とか、就職が何らかのタイミングで周りより遅れているフリーターで「とりあえず就職しよ!」みたいな方々にとっては、飛びつきたくなるような見た目になっています。
この求人の謎に迫るのですが、手っ取り早く動画で見たい方はこちらでどうぞ!!
さて、文面で読んでくれる方はこちらからお願いいたします。
この求人の正体は??
この求人の実態は「SES」と呼ばれる形態の業種で、
SESというのは契約形態の名前です。System Engineering Serviceの略です。
何か難しい略やけど結局何なの?
って人にほんと簡潔にお伝えすると、
結論、客先常駐つまり自社のオフィスで働かず、人材不足のお客さんから依頼を受けてお客さんのオフィスで働くんです。
あれ?それ派遣じゃね~の?
と思ったそこのあなた。そう、派遣です。
人材派遣会社がこのサービスをこぞって行っており、これが若者のキャリア破壊の温床だとにらんで今回、SESをテーマをに取り上げました。
SES企業はどんなお客さん先とも時給で契約を結びます。
1時間5000円とかでお客さんの会社で働く感じになります(まあ時給5000円で契約取れるのはかなり優秀な方のエンジニアです)。
1日8時間、1ヶ月20日間で合計160時間働けば80万円がSES企業の売上になります。
社員としてはそれだけ稼ぐけど、自分の手取りは会社からの月給なので20万円ぐらいになります。
給料以外の販管費などの諸経費はあれど、80万から諸々引いた残りが会社側の利益になります。
エンジニアの給料はあくまでSES企業で決められた給料になります。
ざっとここまでで既に薄々嫌な予感がしてきた人も、これから本題に入ります。
今回わざわざSESだけに絞ってお話をする、「SESへの転職はやめとけ」という理由に入りましょう!
長くいればいるほど市場価値が低下するから!
そもそもSESは人材派遣会社が運営しているビジネスなので、モノづくりを支えるとか言いながらも薄利多売の人売りビジネスです。
そうなるとSESを必要とする企業も企業で都合いいんです。
IT業界全体が人手不足なので、「誰でもできるような雑務に手が回らない」ってなった場合に「安く・多く」人が欲しいんです。
20代で未経験、前職はエンジニアとは無縁の仕事をしていた方は、エンジニアという肩書を持っていながら、開発や設計などの実務経験は積めず、監視や運用、ひどい会社では書類整理などしかできない会社もあります。
仕事のスキルは上がらないまま歳をとる、歳をとればとるほど周りは年齢に応じて経験を積むものの、自分は一向に同じ雑務ばかり。
転職は歳を取ればとるほど不利になるので、結果的に長く働けば働くほど、市場価値は下がっていきます。
おっさんなってからやったらもう遅いやん…。
とにかく給料が安すぎ&上がる仕組みがない。
SES企業とお客さんの間では、基本的に時給換算で契約料が決められます。
だいたい1時間5000円とかでお客さんとSES会社の間で契約をむずび、1ヶ月160時間働けば80万円がSES会社の売上になりますね。(正直この額は高い方です)
SESの社員としてはそれだけ働いたものの、自分の手取りはSES会社との決まりでの月給なので20万円ぐらいになってしまいます。
中抜きされてますので給料を自分の力で上げるにも難しいです。
安い給料で雇い、とにかく人手を多く集める、そしていっぱい派遣する。
これがSES企業の収益構造です。
カンタンな図で表してみるとこんな感じです。
A社がB社に月100万で派遣を依頼、B社では人手不足なのでブラックSES社に50万円で依頼、(あれ?ピンハネされてますね)、そしてそのSES社で働いている社員Dさんはまたもピンハネされ20万円でいざ現場へ!って感じです。
これがIT業界でよくある多重下請構造です。矢印の流れがそのままお金の流れとなります。
契約違反が横行している
SES契約を結んだ場合は、業務を進める際の指揮命令はクライアント側(受け入れ側)が行うのではなく、サービスを提供するSES企業側が行わなければなりません。
このことから、SES契約でも指揮命令がクライアント側になる場合は、本来違反行為となってしまうのです。
ですが結局、労働時間や就業条件・給与などは全部お客さんに合わせています。
なぜなら、残業せずに早く帰ろうと思ったら、お客さんからSES会社へ「おい、〇〇さん派遣のなのにいつも早く帰るなら契約切るよ」と言われればSES会社は従うしかないですし、給料を上げてほしいと言えば、「給料上げないといけないなら契約切ります。他のSES会社なんていくらでもあるし」など、偽装請負をしないと成り立たない仕組みが出来上がっているからです。
結局、決定権はクライアントにあるんやね・・・。
気をつけてほしいこと
今回はITエンジニアのSESをメインに紹介してきましたが、これら派遣の形態の仕事はITエンジニアに限らず、設計エンジニア、施工管理、製造、販売接客などの求人でもありふれています。
すべてのSESがブラックというわけではないと思いますが、私の経験上、
転職サイト、転職エージェント、スカウトサイト、総動員でSESの味方をしているかのように立場の弱い求職者を釣っているのが現状なので本当に気を付けてほしいです。