
就活3大質問のうちの1つ、「ガクチカ(学生時代に打ち込んだこと)」。就職活動の面接はもちろん、エントリーシートやOpenESでも必ず記入する必要がある、就活生にとっては避けては通れない課題の1つです。

「ガクチカ」「自己PR」「志望動機」が就活3大質問だと私は考えています。
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クチカ」は就活での最も目にする質問の中でも、個々人によって最もストーリー性豊かでバラエティに富んだ印象があります。
部活動の話をする人もいれば、サークル、アルバイト、インターンシップ、ゼミ活動、高校時代の事柄、受験勉強、などなど人によって引き出しは全く異なります。
数多ある「ガクチカ」の中でも今回はエントリーシート・OpenESで絶対に通過するための「最高のガクチカ」の書き方について順を追って解説していきます!


自分に置き換えて考えてみてくださいね~!
一緒に進めれば怖くない!
「ガクチカ」で採用担当者が見抜く3つのポイント
そもそも、採用担当者はなぜガクチカをエントリーシート・OpenESや面接でも必ず聞いてくるのでしょうか?
それは、学生時代の4年間という長い時間をどんな風に過ごし、どんな人柄が形成されたのかというルーツを探り、それが企業の求める能力と合致するのかを確認するためです。
よって、ガクチカを書く際には、ただただ出来事を箇条書きにすればよいという訳ではなく、自分が企業の求める能力を学生時代に身に付けたという内容にまで落とし込む必要があります。
この大前提を見落として、「とりあえず学生時代にしたことを書いてみよう!」とする学生は非常に多く、だいたいがこの時点でエントリーシートで落ちることになります。
以下の3つのポイントを抑えれば、まず採用担当者の目に止まる内容を書くことができ、読んでもらえるエントリーシート・Openを書くことができます。
早速見ていきましょう!
ポイント①具体性を持ったストーリーがあるか?
「具体性」と聞くと少し難しいなと思う方もいるかもしれません。しかしここはシンプルに考えましょう。
簡単に言ってしまうと、ガクチカを書く上で、学生時代のどの場面を設定するのかということです。
例えば、TVでのスポーツ番組の総集編のようなイメージで、
2009年、WBC(ワールドベースボールクラッシック)この大会で打率.167と絶不調だったイチローでしたが、決勝戦の対韓国戦、3-3で向かえた延長10回表、2アウトランナー2・3塁の場面で打席が回ってきました。ここでイチローは見事にセンター前にヒットを放ち、絶不調だった男による大逆転劇で日本は大会2連覇を達成します。
ここまで具体的に描くことは難しいですが、自分に置き換えると、
「アルバイト先でホールスタッフをしていました」
よりも
「大阪市内にある個人経営の居酒屋で4年間アルバイトとして働いており、ホールスタッフを担当しておりました。」
こちらの方が、より具体的に相手の頭の中に場面をイメージさせられますよね。
こういった具体的な場面設定は、読み手に対してイメージを抱かせると同時に、「本当に働いていたんだな」という事実確認の要素も含まれます。


読み手(採用担当者)に場面をイメージしてもらえるといいね~!
ポイント②ガクチカを通して何を学んだかが明確か?
私は学生時代のアルバイトで学習塾の講師をしておりました。週に4日、小学生から高校生と幅広い生徒を担当し、中でも高校受験に励む中学3年生の授業を多く持っており、中学3年生だけで10人の生徒を担当しておりました。中には、受験前の模試で志望校の判定がCの生徒や、ギリギリになって内申点が足りないことが分かった生徒など色々な困難がありました。しかし、私が大学3年の冬、無事担当の10人の生徒は全員志望校に合格し、自分のしてきた授業は間違っていなかったと自信になりました。
上記のガクチカは一見具体的で分かりやすく伝わるモノです。
しかし、欠けている部分が、今回ポイントとしている「経験を通して何を学んだか」という視点です。
受験前の模試で志望校の判定がCの生徒や、ギリギリになって内申点が足りないことが分かった生徒、家の事情で志望校を変更しなければならなくなった生徒などなど、困難だらけのアルバイトだったでしょう。
ではこれをどう乗り越えたのか、そして乗り越えた先に学んだ、身についたものは何なのか。
これが知りたいんです!
この「学んだこと、身に付けたこと」はあなたの特殊能力なんです!
私が学習塾のアルバイトで担当した生徒の中で、受験前の模試で志望校の判定がCの生徒や、志望校の内申点が足りない生徒など色々な困難がありました。しかし、どの生徒も志望校に合格したいという思いは同じです。C判定の生徒には徹底的にどの分野を正解していれば判定はBになっていたのか、内申点が下がってしまった生徒については、具体的に受験前のビハインドが周りの生徒とどのくらいの差なのかを調べ、そこから当日の受験でリカバリーするための授業をしました。結果的に私が大学3年の冬、無事担当の生徒は全員志望校に合格できました。ここから得た学びとして、困難な状況下でも、言い訳をすることなくどうすればできるようになるかを常に考え実行することの大切さを学びました。
このような構成になると、採用担当者の頭の中にもあなたがどんな特殊能力を持っているのかが一目瞭然で分かるわけですね。
この最後の一文が書けない人は非常に多いため、差が開きやすいポイントです。


具体(経験談)→抽象(学び)の順を意識しよう!
ポイント③企業の求める能力に合ったガクチカになっているか?
企業が新入社員に求めることは、企業ごとに異なります。
しかし、一方で「〇〇を持った学生のみ求めます!」という確固たる条件を提示している企業はあまり存在しません。
実際のところ、企業が求める人物像というのは、採用サイトを見ても、
・考えて行動に移すことができる方
・柔軟で新しい発想ができる方
・周りとの共存を図りチームワークを大切にできる方
などなど、抽象的かつ複数あるものです。
ですので、こういった企業の求める人物像に自分のガクチカでの経験を重ね合わせる必要があります。
例えば、企業の求める人物像に「周りとの共存を図りチームワークを大切にできる方」という文言があったとします。
例えば、
「周りと意見が食い違った際には、まず自分の意見がなぜ正しいのかの理由を最低でも2つ用意します。その上で、相手の意見に対しても同様にそれが正しくないと思う理由を2つ用意します。そうすることで、自分の正しい根拠を明確化し意見を通すことができます。」
こんな考えでは、全く企業の求めることと逆になりますよね。笑
今のは少し大げさな例でしたが、
他にも実際に多いのが、
「行動力のある方を求めている」という企業に対し、
「私は今までのアルバイトでバイトリーダーをしておりましたので新人の教育を担当しておりました。教育で大事していたことはマニュアル通りにすることが正義ではないということです。状況に応じた対応ができるように新人には常に指導をしておりました。」
これを見てどう思いましたか?
恐らく採用担当者の感想は「ふーん。うちの求めている行動力とは少しズレているな。」でしょう。
自分の伝えたいことのみにフォーカスしてしまうとこうやって、企業の求めている要素とのズレが生まれます。
エントリーシート・OpenESでたくさん文字数は書けているし、自分がやってきたことにも自信がある。にもかかわらず落選が続く人に今回のパターンはよくあります。
先ほどの「周りとの共存を図りチームワークを大切にできる方」というのが企業の求める能力だった場合、良い回答としては以下のイメージです。
「自分だけで問題を解決しようとせずに、周囲に相談をすることで周りを巻き込んで揉んだ解決にあたりました。その結果、皆で決めたことなので反対意見が出ず、前向きな話し合いができ、物事の進捗がスムーズに進みました」
「意見が対立した際に、自分と異なる意見を発した人に対して、否定するのではなくむしろ反対意見も肯定する姿勢を見せることで感情的な対立を防ぐことができました」
自分の書いた内容は企業の求める能力に見合ったガクチカになっているのか、今一度確認してみてください。
では、ここからは実際にあなたがガクチカを書く際の手順について見ていきます。
先ほどの3つのポイントのおさらいでもありますので、是非ここからは自分の経験や考えにあてはめながら進めていきましょう!
番外編~自分のガクチカに自信がないあなたへ~
よく就活サイトや就活塾で、「アルバイトやサークルのガクチカは皆使うからダメだ!」ということを言っている記事・指導者を見かけます。たしかにほとんどの学生がアルバイトやサークルくらいしかしていないのは事実です。そして、今記事を読んでいただいているあなたもその一人かもしれませんね。
しかし、私はその意見には賛同しません。アルバイトやサークルをもとにしたガクチカでも充分エントリーシート・OpenESは通過します。
今、自分のガクチカに自信が持てない人にとっておきの思考法をお教えします。
ポイント①アルバイト・サークル活動のガクチカが「ありきたり」と思われるワケ
そもそも、アルバイト・サークル活動をもとにしたガクチカはほとんどの学生が中身のネタ自体も似たり寄ったりです。
アルバイトであれば、一番多いのが飲食店やコンビニ・量販店でのアルバイト。そしてその中身としては、お客様への向き合い方に関するものがほとんどです。
例えば、
①ある日お客様からクレームを受けたので、お客様への対応の仕方を変えることによって感謝された、リピートされた。
②メニューやマニュアルが複雑だったので、メニューやマニュアルをしっかり覚えることによって円滑に業務ができた。
③バイトリーダーとしての役割を全うした。具体的には、バイトリーダーとして後輩の指導や店舗の環境づくりに気を付けた
だいたいこの3パターンがいわゆる「ありきたり」なガクチカなんです。
あなたもこのままでは、他の就活生との差別化はできないでしょう。
ポイント②ガクチカの視点を変えてみる
ではどうすればいいのか。極論、上記3パターンとは別のガクチカを考えればいいわけですが、具体的には
・店舗の店長・社員を巻き込んだ経験談
・ブラックバイトだけど頑張った経験
などは差別化しやすいネタになります。
例えば、先日相談をしてくれた学生さんで、
私のアルバイト先は個人で経営をしている京都鴨川沿いにある料亭です。普段から一限さんはお断り(誰かに紹介を受けないと入れない店)で、かなり敷居の高いお店でした。店長も料理や接客には非常にこだわりを持っており、お客様も料理に使われる食材についてやお酒の産地など、事細かにご質問をされるようなところです。そのため、厳しい研修や現場での対応を要求されるせいで私の周りのアルバイト学生はせいぜい1ヵ月、長くて3ヵ月でお店を辞めてしまいます。そんな中で私が一番に注力して取り組んだのが、アルバイト学生を続けさせることです。
こんな内容でした。
高級料亭で働いている人はそこまで多くないにせよ、飲食店の店長が厳しい方で、そのせいでアルバイト学生が辞めてしまうことはよくあることです。
このように、一見ネタにする考えがなかった事柄でも、ガクチカはできるものです。
是非一度自分自身にも重ね合わせて考えてみてください。
エントリーシート・OpenESのガクチカを実際に書く手順
手順①アピールポイントの設定
まずは自分がアピールしたいことを明確にしましょう。その際に気を付けることは、
「そのアピールポイントは企業の求めることと一致しているか」です。
「行動力」を求める企業に対し「分析力」をアピールしても何も伝わりません。
今回は、食品業界の営業職だったとして、求められる人物像は「行動力」のある人。
そうなると、私の中でのアピールポイントは、「行動力」「実行力」「まずやってみる」「チャレンジ精神」「失敗を恐れない」「挑戦」などです。
まずは自分でしっくりくるものをアピールポイントに設定しておきましょう。


今回は「(自分の考えを)実行する力」というアピールポイントにしています!
手順②具体的な場面設定
次は経験をもとにした場面設定です。アルバイトでもサークル活動でも、いつ、どんな活動をしていたのかを説明できるようにしましょう。
今回は、大学2年生で野球サークルを作った話を題材にしてみます。
大学1年生で入った大学サークルでの環境があまり合わなかったことから、2年生時に自分で野球サークルを作ることを決意しました。「試合で勝つことの喜びを得ること」「緊張感のある中での楽しさを味わいたい」という思いでメンバー集めにこだわりました。
ここまでで、サークル活動という誰もが経験しているありきたりな内容から、「自分でサークルを作る」という差別化ポイントが明確になっています。
手順③自分の考え・工夫・打ち手を整理する
場面が設定出来たら、具体的にそこで何をしたかという「実行力」の具体的な話です。ここがガクチカでは一番目立つ部分であり採用担当者の目を引く部分です。
自分でサークルを作る以上は、これまでのサークルでは成しえなかったことがしたいと考え、「試合で勝つことの喜びを得ること」「緊張感のある中での楽しさを味わいたい」という思いでメンバー集めにこだわりました。具体的には、大学内の野球サークルに所属している学生の中で主に高校野球を経験している学生に声を掛けました。思いのほか、私のようにもっと真剣に野球がしたいと思っている学生が多く、技術も実績もあるメンバーを集めることができました。また練習試合をなるべく多く組むための人脈形成の意味合いも込めて、試合他大学の学生にも声を掛け、メンバーの多様化にも努めました。多くの同じ志を持ったメンバーに恵まれ、結果的に3年生時には市の大会で優勝することができました。


まあ、ここまで書いてるとちょっと盛っている感じは否めないけど、今回は多めに見てやってください。笑
手順④ガクチカによって得た学びは何かを書く
具体的な行動の内容が書けたら最後は、この経験を通して何を学んだかです。先ほどの手順③は具体的に実際に合った話がメインですが、この結びの部分では抽象的な言葉に置き換えるイメージです。
自分が行動を起こすことによって同じ意思を持った仲間が集まり、組織として1つの方向に向かって進むことが面白味のあることなんだということを学びました。 困難にぶつかることも、成功することもまずは自分が行動しないと起こらないという点においては社会人になってからも共通していることと思っておりますので、貴社とご縁があり入社させていただ食こととなれば、まずは行動することで貢献していく所存でございます。
このような締めくくりになります。
最後には、「貴社でも〇〇(アピールポイント)を活かし活躍します!」という意気込みを持って締めくくりましょう。
この記事のまとめ
ガクチカは取り組むと比較的簡単にネタが書きやすい反面で差別化することを見失いがちです。
エントリーシート・ESでは、あなたの書いた文字でしか判断することはできないため、周りと同じような内容では通過する可能性は低くなります。特に東証1部上場企業や大手企業・大手傘下のグループ会社ではエントリーシート・OpenESでの通過率は極めて低いため、最初の難関であることは間違いないでしょう。
この記事が少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!
あなたの就職活動が良いものになることを願っています。